育児ストレス問題

児童虐待とは今の日本では決して珍しくない現実にあることです。そして、その原因の多くは母親が育児にストレスを感じて、怒りや不満を子どもにぶつける、それが暴力や虐待へと発展してしまうケースが珍しくありません。ニュースで悲しい児童虐待のことを知ると、多くの人は母親に原因があるのではと責めますが、果たしてそれだけで片付けてしまってよいのだろうか?という論議もあるのです。

責任能力のないまま出産してしまった女性に対する風当たりが強いのは事実ですが、誰もが自信満々に子どもを産むでしょうか。おそらく大抵の女性は出産時に大きな不安を抱えているはずです。不安なスタートからうまく切り抜けて成長できる人と、つまずいたままストレスを抱え込み、最終的に虐待へと発展してしまう人、これは紙一重なことでしょう。何もないところからいきなり虐待は生まれず、おそらくそこまでに至った経緯が必ずあるはずです。

育児ストレス問題は、なぜ引き起こされるのでしょう。それは昔から今でも根底に流れる「母親はこうであるべきだ」という理想像にうまく適応できないと「母親が悪い」とされてしまう風潮が、いまだに根強いことも一因としてあるのではないでしょうか。たとえば「育児は母親がするもの」「子どもをおいて働きに出るなんて子どもが可哀想」という風潮は、今のライフスタイルの多様化にはそぐわない考え方ではありますが、現実に根強く残っていて、その狭間で悩む女性は育児ストレスを抱えやすくなりがちです。育児ストレスは一概に母親だけの問題ではなく、取り巻く環境にも原因があることを、多くの人が周知しなければ解決できない問題です。